「『いまどきの』なんて言葉でくくって欲しくない、七人七色の今。
虹の橋は、未来へとつながっているのだ…。高校卒業から7年。
7人の仲間が集まって、7つの物語が交錯する、爽やかな青春
群像」(amazonより)
※
7つの短編を収めた短編集。連作的というのだろうか、それぞ
れつながりはある。『月曜日の水玉模様』の姉妹編で、『月曜日
〜』のヒロインである片桐陶子の高校時代の部活仲間が、それ
ぞれ登場する。加納作品であるからミステリ的なファクターはあ
るのだけれど、『月曜日〜』や駒子シリーズのようにそれを全面
に押し出しているのではなく、彼女たちのそれぞれの日常を巧
みに描き出しながら、そこにちょっとスパイスのように加えた、と
いうような形になっています。個性的な大人の女性たち――まさ
に七人七色。『レインレイン・ボウ』は、加納さんの筆力をそのま
ま作品に映し出すことに成功した作品のように感じます。七つの
短編はどれも二十代半ばの女性たちをリアルに表現していま
す。私が好きなのは、「スカーレット・ルージュ」、「雨上がりの藍
の色」それからラストの「青い空と小鳥」でしょうか。
――陶子は聞きたいと思った……陶子に理解
できること、理解できないことをひっくるめたすべてを。
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